感染力が強いことで知られているトリコモナス症は、寄生虫の一種トリコモナス原虫が原因です。
0.1mmほどのサイズの微生物のため、肉眼で観ることはほぼできません。性行為のほか、様々な原因で感染します。
トリコモナスの感染経路は性行為や間接的な接触
トリコモナス原虫は、主に性行為によって感染者の性器と直接接触することで感染します。
また、性行為以外にも間接的な接触で感染することもあります。
例えば、感染者が利用したお風呂やプール、トイレで、水中に浮遊する、もしくは便器の周りに付着した原虫と接触してしまうことがあります。
また、ペットもトリコモナス原虫が感染することがあり、フンの後始末が感染の原因となることもあるので要注意です。
感染を広げないためには
トリコモナス原虫の感染を広げないためにも、医師の指導のもとしっかり治療を行うことが大切です。
トリコモナス症は薬で治療できます。ただし、症状がおさまったからといってすぐに薬の服用をやめてはいけません。目立った症状が出てないだけで、原虫は体内に残っている可能性があるからです。薬の使用を自己判断でやめると、原虫が再び繁殖し再発してしまいます。薬の辞め時は必ず医師の判断に従うようにしましょう。
トリコモナスの治療期間はおよそ7日~14日です。
トリコモナス原虫は子供から大人まで年齢に関係なく感染します。感染者がおむつを利用している場合など、排せつ物の処理やおむつの廃棄も普段より意識して対処を行いましょう。
トリコモナス症の感染を拡大させないためにも、予防や再発防止対策は周囲の人とともに実践していくようにしましょう。
トリコモナス症の予防法はある?
トリコモナス症を発症した人が周りにいるからといって、必ずしも感染するものではありません。
トリコモナス症は予防する方法があります。原虫の感染を回避すればいいことで、目に見えなくても原虫の特徴を知っていれば誰でも予防に取り組むことが可能になります。
女性は感染してしまうと不妊や早産のリスクが高まるので、予防方法をしっかりと覚えて実践することが重要です。
女性が感染した場合、膣を通して子宮頸管や卵管にまで原虫が広がるため、妊娠、出産上のリスクが高まります。
家族に感染している人がいるときには、治療が終わる約2週間の間、衛生面に十分に気を付け、手を洗う時には石鹸で洗うだけでなく、消毒液も使うようにしましょう。
便座は使用前後に必ず除菌するようにして、タオルなどは使いまわさず、洗った後はしっかりと乾燥させることが大切です。
洗面所に置くタオルは、共用になっている家庭が多いでしょう。完治するまでは、感染している人と感染していない人とでタオルはは区別しておきましょう。
トリコモナス原虫は乾燥に弱いので、お風呂場で使用する椅子なども、きちんと水気をふき取り乾燥させましょう。
ペットが感染している場合は、フンを密閉できるものに入れて捨てるようにしましょう。フンの片づけをしたら手洗いをしっかりと行うことで、ペットからの感染の予防になります。また、ペットが治るまでは隔離するなどの対応も必要です。
必ず二人とも検査を受けること
パートナーが感染したら自分も検査を受けましょう。また、自分が感染した場合もパートナーと一緒に検査を受けましょう。トリコモナス症は主に性行為によって感染するめ、一方が感染していればもう一方も感染している可能性が高いからです。
男性は症状が出にくいため、一見感染していないように思うかもしれません。しかし、症状が出ていないだけで、感染している可能性があります。
一方が治療を終えても、もう一方が感染したままでは、性行為の際に再び感染させてしまいます。自覚症状がないとしても必ず二人とも検査を受けましょう。それがトリコモナス症の予防に繋がります。